蜜月同棲~24時間独占されています~
恋の罠
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家族同士の会食、という名目のお見合い当日。
「ほら、柚香」
ホテルのロビーで、気後れする私に向かって手を差し伸べる、スーツ姿の克己くんは周囲から浮くくらいにかっこいい。
一緒に住んで見慣れては来たけれど、隣に立つことには慣れてない。
会食場所は五つ星ホテルのレストランということで、今日は私も清楚に見えるワンピースとパンプス、真珠のネックレスと堅苦しい出で立ちだ。
差し伸べられた手に戸惑いながらも、スルーするのも失礼なことだとおずおずと手を乗せる。
「……ねえ、ちょっと時間ずらして行った方が良くない? 一緒に到着したら不自然だよ」
克己くんのマンションに居候してるってバレてしまいそうな気がする、と思ったのだが。
「大丈夫。柚香と待ち合わせて一緒に行くって言ってある」
「そうなの」
先手を打ってあった。
待ち合わせて、と言ってしまったのなら、もう一緒に向かうしかないだろうと、克己くんに手を引かれてロビーをレストランのあるフロアの方へと歩いた。
家族同士の会食、という名目のお見合い当日。
「ほら、柚香」
ホテルのロビーで、気後れする私に向かって手を差し伸べる、スーツ姿の克己くんは周囲から浮くくらいにかっこいい。
一緒に住んで見慣れては来たけれど、隣に立つことには慣れてない。
会食場所は五つ星ホテルのレストランということで、今日は私も清楚に見えるワンピースとパンプス、真珠のネックレスと堅苦しい出で立ちだ。
差し伸べられた手に戸惑いながらも、スルーするのも失礼なことだとおずおずと手を乗せる。
「……ねえ、ちょっと時間ずらして行った方が良くない? 一緒に到着したら不自然だよ」
克己くんのマンションに居候してるってバレてしまいそうな気がする、と思ったのだが。
「大丈夫。柚香と待ち合わせて一緒に行くって言ってある」
「そうなの」
先手を打ってあった。
待ち合わせて、と言ってしまったのなら、もう一緒に向かうしかないだろうと、克己くんに手を引かれてロビーをレストランのあるフロアの方へと歩いた。