蜜月同棲~24時間独占されています~
それから、料理が粗方済んで後はコーヒーとデザートだけ、という時だった。
ようやくもうすぐ終わる、とほっとしかけていた。
「あー、ほら。後はあれじゃない?」
と、おば様が楽しそうに言う。
なんのことかわからなくて首を傾げていると、克己くんはすぐに察したらしい。
「あー、じゃあ後は若い者同士で勝手にやるので。母さんたちはデザートでも楽しんでなよ」
あくまで、お見合い進行のまま終わるらしい。
「そうそう、それよ。ほら、そこの庭園に降りられるから」
と、おば様は窓の外の美しく整えられた日本庭園を指差した。
「俺たちはもうそのまま帰るから。行こう、柚香」
「あ、うん」
言われるままに席を立って、克己くんの方へ行こうとして少し躊躇った。
横にいる、嬉しそうに笑う母に目を向ける。
今回のお見合いは本当に強引だったし、腹が立っていたけれど、私を心配するゆえなのだ、それはよくわかっている。
そんな母に私はまだ引っ越したことも伝えていなくて、どう伝えるべきか迷っていた。
その時だった。
「……そうだ。おばさん、柚香のアパートなんですが。解約も迫ってるということなので、俺のところで一度引き取ろうかと思っています。今日はそのお許しをいただきたく、参じました」
いきなりの克己くんのセリフに、母もぴたっと笑顔を固めていた。
ようやくもうすぐ終わる、とほっとしかけていた。
「あー、ほら。後はあれじゃない?」
と、おば様が楽しそうに言う。
なんのことかわからなくて首を傾げていると、克己くんはすぐに察したらしい。
「あー、じゃあ後は若い者同士で勝手にやるので。母さんたちはデザートでも楽しんでなよ」
あくまで、お見合い進行のまま終わるらしい。
「そうそう、それよ。ほら、そこの庭園に降りられるから」
と、おば様は窓の外の美しく整えられた日本庭園を指差した。
「俺たちはもうそのまま帰るから。行こう、柚香」
「あ、うん」
言われるままに席を立って、克己くんの方へ行こうとして少し躊躇った。
横にいる、嬉しそうに笑う母に目を向ける。
今回のお見合いは本当に強引だったし、腹が立っていたけれど、私を心配するゆえなのだ、それはよくわかっている。
そんな母に私はまだ引っ越したことも伝えていなくて、どう伝えるべきか迷っていた。
その時だった。
「……そうだ。おばさん、柚香のアパートなんですが。解約も迫ってるということなので、俺のところで一度引き取ろうかと思っています。今日はそのお許しをいただきたく、参じました」
いきなりの克己くんのセリフに、母もぴたっと笑顔を固めていた。