蜜月同棲~24時間独占されています~
「待って、克己くんっ!」
「見事なもんだな」
灯篭や石を中心に、敷き詰められた砂利石に砂紋が描かれている。
緑の少ない季節だが、確かに見事だった。
踏み石を辿って小さな池にかけられた橋に近づく。
私の手を取って、まるでエスコートでもするように。
「ねえ、なんであんなこと言ったの?」
私の声は、明らかに非難めいている。
わかっているけど、止められなかった。
適当にお茶を濁して、お見合いのことはなかったことにするのではなかったのか。
一緒に住む了承まで得てしまっては、期待させるだけではないか。
だけど克己くんは、すっとぼけた声で言う。
「あんなことって?」
「だからっ……一緒に住む許可とか、口説かせてもらったとかっ」