蜜月同棲~24時間独占されています~
息を潜める。
瞼に力を入れすぎないように、震えないようにじっと身じろぎもせずにいた。
その間、優しく何度も髪を撫でられる。
息苦しいような、気持ちいいような複雑な心地だった。
そして少し、くすぐったい。
克己くんの、微かな息遣いも聞こえる。
随分長く感じたけれど、多分一分も経ってなかったかもしれない。
髪を撫でる指が止まって、ほっとしたその時。
ふ、と耳元に吐息がかかる。
一瞬、掠めていく程度の、微かな微かなキスだった。
「おやすみ、柚香」
再びベッドが揺れて、今度こそ克己くんがベッドに横になったのだとわかる。
それ以上は何もされることなく、いつものように背中合わせの状況で。
私は、緊張が解けたと同時に一層走り出した心臓を持て余していた。