蜜月同棲~24時間独占されています~
恋は落ちるもの
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オムレツは、実は綺麗に作るのが苦手なのだけれど、今日はふたつとも上手くいった。
焼いたベーコンも添えて、トマトとゆでたブロッコリーも乗せる。
後は、トースターで温めているロールパンを待つだけ。
よし、と菜箸を流しに置いたとき、ふわっと真後ろから抱きすくめられた。
「ひやっ!」
「おはよう柚香。良い匂い」
私の間抜けな悲鳴など意に介せずお腹に両手を回し、後ろからオムレツの皿を覗き込む。
「もう、克己くん! びっくりするから後ろから気配させずに近づくの止めてってば!」
「別に消してないけどな。柚香が鈍いんじゃない?」
くすくす笑う克己くんは、まだ私を解放してはくれない。
あのお見合いの日から、克己くんはこうして接近して私を揶揄うことが多くなった。
料理していれば後ろから邪魔して来たり、突然額や頬にキスされたり、最初はどぎまぎする一方だった私もちょっと、慣れてきた。
というのも、決してそれ以上はしてこない、という安心感もあるからだ。
私が慌てれば慌てるほど、面白がってするのだろう、と思ったので出来るだけ平静を装うようにしている。
「克己くん、起きたなら運んで。私はパンを持っていくから」
そう言ったタイミングでちょうど、トースターが「ちん」と鳴った。
ようやく克己くんの腕が解ける。そして油断した。
「了解。オムレツ持っていく」
そう言って、突然ちゅっと耳の近くを啄まれた。
オムレツは、実は綺麗に作るのが苦手なのだけれど、今日はふたつとも上手くいった。
焼いたベーコンも添えて、トマトとゆでたブロッコリーも乗せる。
後は、トースターで温めているロールパンを待つだけ。
よし、と菜箸を流しに置いたとき、ふわっと真後ろから抱きすくめられた。
「ひやっ!」
「おはよう柚香。良い匂い」
私の間抜けな悲鳴など意に介せずお腹に両手を回し、後ろからオムレツの皿を覗き込む。
「もう、克己くん! びっくりするから後ろから気配させずに近づくの止めてってば!」
「別に消してないけどな。柚香が鈍いんじゃない?」
くすくす笑う克己くんは、まだ私を解放してはくれない。
あのお見合いの日から、克己くんはこうして接近して私を揶揄うことが多くなった。
料理していれば後ろから邪魔して来たり、突然額や頬にキスされたり、最初はどぎまぎする一方だった私もちょっと、慣れてきた。
というのも、決してそれ以上はしてこない、という安心感もあるからだ。
私が慌てれば慌てるほど、面白がってするのだろう、と思ったので出来るだけ平静を装うようにしている。
「克己くん、起きたなら運んで。私はパンを持っていくから」
そう言ったタイミングでちょうど、トースターが「ちん」と鳴った。
ようやく克己くんの腕が解ける。そして油断した。
「了解。オムレツ持っていく」
そう言って、突然ちゅっと耳の近くを啄まれた。