勇気をください。
動き出す。
バスで出会った人に一目惚れしてしまった私。
家に帰っても彼の事が頭から離れなかったけど、
何部なんだろう。
運動部かなぁ…文化部かなぁ…
背は私より少し高めだったから先輩かなぁ…
その日は色んな事を考えて寝た。
次の日。
登校時のバスの中でも彼を探してみた。
でもいない…
もしかしたら他の学校で偶々乗り合わせただけなのかも…
そんな考えが脳裏をよぎる。
別に他の学校でも悪い事はないんだけど、
コミュニケーションも取りにくいし、
第一そんなんじゃ親しくもなれない。
もう一度全クラス回ってみようっと。
学校に到着した私は教室へと走り、荷物を置いた。
そして一組から五組を見て回った。
もちろん自分のクラスにはいない。
やっぱりこの学校の人じゃなかったんだ…
そう思った時だった。
バスで聞いた彼の声が廊下の方から聞こえた。
自分の教室に戻っていた私はその声がする方に向かう。
見つけた。
彼は多くの男子に囲まれて歩いていた。
呆然と見てしまっていた私は、彼に気づかれてしまった。
「あ!君、昨日バスに乗ってた人だよな!」
いきなり声がかかったので、私は焦りつつも答えた。
「あ、ハイ!」