ウサギな君へ
パスタ屋さんの面接の日。
アヤノと一緒にドキドキしながらお店に入った。

店長は眼鏡をかけた40歳くらいの優しそうな人だった。


「はい、君たち採用ね。」
「えっ?」

私たちは驚いて目を合わせた。

「もう決まりですか…?」
「うん、いいよいいよ、人いないし。」

あっさりと採用。
顔で決めるって聞いてたから難しいのかなって思ってたし、人手不足という理由でソッコー採用でいとも簡単に決まってなんかちょっとだけガッカリした。


それから色々と手続きをして、出勤の日を決めて、アヤノと2人であーだこーだいいながら家に帰った。




もう夕方だというのに、アキラはまだ寝てた。

「アキラぁ、聞いてよー」
といいながらベッドに入る。

「んぁ?リサどこ行ってたの?」

「昨日言ったじゃん、バイトの面接行くって。また覚えてないの?」

「あー、そういえば言ってたか。」

アキラに抱きしめられながらこんな会話を続ける。

「今度ね、来週の火曜日に初出勤なんだ。あー、ちょっと楽しみぃー。」
「あそこ俺たちん中じゃかなり評判いいからね。かわいい子ばっかりだって。そんなとこでリサが働くなんて俺も鼻が高いよー。」


アキラはこういう人。いつも自分のレベルを気にしてる。
だから私もそれがうつっちゃって、私も自分のレベルを気にするようになっちゃったんだ。
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