back number
と言うのも、わたしが好んで聴くバンドは、マイナーバンドばかりなのも手伝って、周りで知っている子に出会った試しがないのだ。

だけど、ここなら好きな曲に合わせて自由にやれる。

メンバーがドラムしか居ない現状では、どこかのステージでお披露目と言う訳にもいかないけれど、わたしは十分満足していた。

そんなある日の放課後。

HRを終えると教室から飛び出したわたしは、その足で部室へと向かう。

はやる気持ちを抑え、頼むからそこにあってくれと願わずにはいられなかった。

と言うのも昨日、スクールバッグに入れていたお気に入りのCDが無い事に帰宅後にようやく気付いたのだ。

おそらく部室にでも忘れてきたのだろうとすぐに察しがついたのは良いが、——忘れてしまったのがよりによって既に廃盤してしまったいるCDだった。


「(……我ながらアホ過ぎる。)」


ため息をこぼしながらもようやく辿り着いた部室の方を見ると、何故か扉が開け放たれている。

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