琥珀の奇蹟-MEN-
いつもより長く、終わりのないようなキスを繰り返しながら、その触れ合う場所から、柚希の俺に対する愛情の深さを感じ取り、それに応える様に、柚希に対する限りない愛おしさが増していくのを感じていた。
息を継ぐ合間に、かすれた声音で『…もしかして琥珀堂…行った?』と聞かれるも、『ああ、ちょっとな』と短い返答をして、直ぐに唇を重ねる。
一瞬でも離れがたく、この感情が抑えられなくなっていた。
キスだけじゃ、伝わらない…もっと深く、強く柚希を感じたい。
そう思うと、既にだいぶ力が抜けて俺の支えなしでは立っていられないほどの柚希を、キッチンの流しの端にもたれさせると、身体のラインに手を滑らせ、その上着の裾からゆっくりと柔らかな素肌を滑らせる。
『ちょッ!』
途端に柚希の強い抵抗に合い、強引に引き離される。
流石にもう、この流れが何を意味しているのかなど、互いに分からないはずはない。
俺は若干、憮然としてしまう。