俺様社長ときゅん甘同居
「止めたな?それじゃあ、飯の前に買い物に行って、それから飯食べに行くか。あ、今日はもう帰さないからな?」

当たり前の様に言うおかしな発言に思わず

「は?!え?何を」

「全力で捕まえに行くって言っただろ?別にすぐすぐ取って喰うわけじゃねぇよ。ただ、週末も一緒に過ごしたいだけだ。お前の色んな顔見せてくれよ?」

だから美形の甘くてストレートな言葉は威力が強過ぎるから!
これに逆らえるかって?
車に乗りこんだ時点で、もう無理だと思う。

そんなこんなで、私は彼に半捕獲されたような状態で出掛けることになった。

なんだろう。
流れがサクサクとスムーズに進み、あれよあれよと思う方向に進めるのは、仕事をしている時の砂川さんにも共通しているものがある。

しかも相手は恋愛経験も豊富な歳上の男だ。
この流れを覆すような術は、私には無い。

恋愛経験が乏しく前の彼氏は学生時代の彼だけという、昨今の女子高生よりも経験値の足りない私。

初心者がラスボスと対峙したと考えたら、この勝負は初めから決まっているのでは?とすら思う。
まぁ、恋愛だから勝ち負けじゃないはずなんだけど。

「また、なんか考えてるな?シワよってるぞ?」

クスッと笑いながら、左手を伸ばして私の眉間のシワをつつく。

「砂川さんが、シワ寄せるような事してくるからでしょう?」

そう返すと
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