俺様社長ときゅん甘同居
「ん?まぁ、そうだが。悩むだけ損だぞ?すんなり落ちてくれば、思う存分甘やかしてやる。どうだ?悪い話じゃないだろ?」

赤信号で止まると、私の顔を見つめて告げてきた言葉。

「お前と並んでも、そこまで年が離れてるような外見上の違和感はないと思うし、そこそこ稼いでるし、一人が長いから家事もひと通り出来るぞ?お得だろ?」

そう言って、ポンポンと頭を撫でて手が離れたら再び動き出す車。

人を好きになるのは条件じゃないと思うんだけど。
でも、確かに砂川さんは私と同世代くらいの見た目してて、若々しい。
本当は所長と三つしか違わないのに。

体型もスリムで筋肉質。
ジムで鍛えてるとは聞いていた。
そして、美形で仕事も出来て、稼ぎもある。
お婿さんに最適な人。
結婚したいって女子にはかなりの好人物だよね。

しかし、私はそもそも結婚したいと思ったことが無い。
そんなお付き合いをしたことがないし、そんな人と巡り会うような出会いも無かったから。

だから今が異常事態なのだが、困った事にこんだけ思考してても、それすら色気ダダ漏れの優しい瞳で見守られている。
そんな相手だ。
若々しい見た目とは裏腹にその落ち着きと包容力は歳上の落ち着いた男性のそれ。

なかなか好きという感情が揺れ動くことなく10年以上過ごしてきたが、これは強引に揺さぶられそうだ。
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