俺様社長ときゅん甘同居
ニコニコとしながら、私の髪を梳いている彼に

「分かってます。だから昨日その準備もして、ここに来たんですから」

「ほら、口調！」

「すぐすぐは無理！」

「うん、晶子は怒らせると口調が崩れるのか。普通にしてても崩してくれたら良いんだがな」

そう言って頭を撫でたあと起き上がったのを目で追い、私も起き上がる。

「シャワー浴びるだろ？髪が今日は、えらい事になってるからな」

クスクス笑うので、髪に手を伸ばせば

「イヤー！ちょ、もうなんでこんな事に！洗面所お借りします！」

そうして、初の男の人の家へのお泊まりの翌朝はバタバタと始まった。

♦♦♦♦♦♦

シャワーを借りて、脱衣所に出ると見覚えのない服が置かれている。
さて、これはなに？
そう、服を前に止まっていると

「晶子、服置いといたから着替えてきて。朝ごはん食べたら出掛けるぞ」

そうサラっと、洗面室のドアの外から声を掛けられた。
掴んで持ち上げて見た服は、春らしい小花柄プリントのシフォンワンピース。
色はパステルピンクの花柄で、クリーム色の生地の上に描かれている。

私が普段職場では絶対に着ていない、オフの時のみ着る好みのタイプのワンピース。
なんで、こんな自分の好みのド真ん中な服が用意されているのか。
しかも昨日見た記憶がないという事は、これは彼が昨日のセレクトショップで買ったに違いない。
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