俺様社長ときゅん甘同居
席について、ご飯を前にすればお腹は空いているので

「いただきます」

そう言って食べ始めると、スープから何から美味しい。
ハイスペック男性は料理も出来るってことか。
この人、ホントに出来ないことってあるのか?
とか考えつつも、美味しいから手も口も止まらずにもぐもと食べ進めていると

クスッと笑い声がして、対面に座る拓さんを見た。

「そんだけ食べてもらえると、作りがいがあるな」

そんなことを言いつつ、本人も食べている。
その食べ方は綺麗。
食べてる姿も様になるし、落ち着いた品のある大人だ。
なんで、この人は私を好きだというんだろう?

なんだかんだで、五年の付き合いだ。
それまで何も無かったのに、突然の変わりようには驚きからか、彼のいい様に流されまくっている気がする。

「今夜はなにが食べたい?食べに行くか、それともここで作って食べるか?」

出かける前から、そんなことを聞いてくる。
ここに戻ってくるのが当り前みたいに。

「今夜は、その時にならないとなにが食べたいか分からないけれど、外より家がいいかな。ここから夜景見ながらのんびりご飯が食べたいです」

そう素直に答えると

「ん。じゃあ、帰りにでもスーパー寄って考えるか。とりあえず今日は出掛けるぞ。デートだからな?」

そう言われて、照れくささから私の返事は首を縦に振るに留めた。
< 36 / 101 >

この作品をシェア

pagetop