俺様社長ときゅん甘同居
「気づいてると思うんですけど、でも言わないのはフェアじゃないと思うので・・・」
「うん、ちゃんと聞きたいんだ。晶子の言葉で」

そう言って微笑むのは、優しく見守る時の愛おしさを隠さない顔。
色気もダダ漏れだ。

「何時なのか、分からないけど。一緒に居るのは居心地良くて、一緒に寝るのも嫌じゃない。額や頬へのキスも嫌じゃない。何より同じ空間に居るのが心地好くて・・・」

そこで少し区切ると、軽く深呼吸して伝えた

「私、拓さんが好き。甘やかされてるこの空間が、初めてなのに心地好くて、離れたくない・・・です。こんな気持ち初めてで、鈍くてごめんなさい」

恥ずかしさと照れで赤くなりながらも一生懸命伝えた。
私が気付いた、私自身の気持ち。

俯きがちだった顔を上げると、そこにはすっごく嬉しそうに綺麗な笑みを浮かべる拓さん。
その顔を見てドキドキする。

そして、目が合うと椅子に座ってた拓さんはスケッチブックと鉛筆を机に置くとソファーに座る私の元に来た。

「晶子、ありがとう。お前のその真っ直ぐて、素直な所がほんとに可愛い。頑張り屋なところも恥ずかしがり屋なところも、愛おしくて仕方ないんだ」

そう、私の手を握りながら言う。
その顔は一気に真剣味を帯びた。

「伊藤晶子さん、結婚を前提にお付き合いしましょう?」

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