俺様社長ときゅん甘同居
「ほんと、晶子は可愛い」

そんな声に顔を上げれば、うっとりする程の美形が目の前で破壊的な色気を纏って微笑んでる。
朝から刺激が強すぎる。

そうして、朝ご飯の片付けをしている間に拓さんは出勤準備をしている。

食洗機をセットした頃

「晶子、終わったか?そろそろ行くぞ?」

と声をかけられ振り向けば、今日は外回り予定があるからなのかスーツ姿だ。

「え?一緒に行くの?」

そう返せば、あからさまにムッとした顔をして

「同じ所に同じ場所から行くのになんで別々で行くんだ?それと、事務所では近々結婚するって言うからな?」

んな?!
お付き合いするって昨日返事したのに、職場で隠さないばかりか、近々結婚するって!
確かにこの週末親に挨拶に行く約束を、昨日のうちに実家に電話したけれども。
展開が早すぎませんか?
その気持ちはありありと顔に出ていたのだろう。

「四十超えた男の行動力なめんなよ?」
「外堀埋める気?」
「もちろん、当たり前だろ?」

そう言うと、カバンを持った私の腰に手を添えて歩き出す。

「俺、初めから掴まえたら離す気無いし、逃す気も無いって言ってただろ?」

そう言って笑う、色気ダダ漏れの美魔王様。
そうでした、あなたはラスボス級の男性でした。
掴まったらトントン拍子で、流れてくに決まってたよね。

ふぅと一息つくと、私も覚悟を決めて靴を履き一緒に手を繋いで出社することになった。
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