俺様社長ときゅん甘同居
仕事も終わって帰り支度をし始めると

「晶子、一緒に帰るぞ」
「へ?今日は私は自分の部屋に帰りますよ?」
「俺がそっちに行くの!」

なんで?と思ってるうちに連行されて、着いたのは私の1LDKの賃貸マンション。

「どうぞ」

そう言って案内した、私のささやかなお城。

「綺麗にしてるな。そして明子の好きなもばっかりだ」
「部屋の中なら可愛くても迷惑かけないじゃない」

ムッとして返すと

「俺の家も一部屋は晶子が好きに飾って楽しめばいい。部屋数はあるからな。」
「あの部屋豪華な5LDKですもんね・・・」

そう、拓さんの家はタワーマンション20階の5LDK。
寝室に書斎にゲストルームがあっても残り二部屋が空室である。
ファミリータイプを買ったのはなんで?と思ったら私との結婚を意識して買ったらしい。
どこまで囲い込みで逃がさない予定だったのか・・・
拓さんはどこまでも用意周到であった。

「ほら、必要なものまとめて!すぐ持ち出さないものはダンボールに詰める!」

そうして二人して引越し準備が始まったのだった。

一人暮らしで物は少なめ。
割とまとめていたこともあり、ある程度の詰め込みが終わるのも早かった。
この間断捨離もしたばかりだったのもある。

「思ったより早かったな」

それは私も思った。



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