俺様社長ときゅん甘同居
こうして、私の先に帰っちゃえ作戦は失敗して、見事拓さんに捕まり二人の美女の前に引き出された。

「あら、先程はごめんなさいね。お茶をありがとう。おかげで一息入れられたから落ち着いたわ」
「あら、落ち着いた感じで可愛らしい人ね!お名前伺ってもいいかしら?」

美女二人に問われて、ちょっと詰まりつつ

「伊藤晶子です。ここで、経理と事務を担当しています」

そう言ってペコっと頭を下げた。

「騒がしくしちゃってごめんなさいね!私は竹井ミチルよ。」
「ホントにごめんなさいね。私は大原ミサキ」

隣に座る拓さんを見れば

「二人とも姉だ」

どおりで似てるわけだけど。
お姉さん・・・

年齢不詳な若さも似てるんですね・・・

「更に弟も居てうちは四兄弟だ。実家は弟が継いでるから跡継ぎ云々の心配は無いから、安心しろ?」

隠さない発言でお姉さん達も気付いたようだ。

「この子がうちの嫁に来てくれるの!!」

綺麗にハモったお姉さん達に

「そうだよ、俺の結婚相手の伊藤晶子さん。ホントに頼むから変な事しないでくれ。晶子を逃したら俺は一生独身だから」

なんて、お姉さん達に苦いものでも食べたような顔をして言う。

「あんたが結婚してくれるだけで砂川家的には万々歳よ!誰も反対なんてしないわ!むしろ晶子さんの実家にちゃんと認めてもらいなさいよ!」
「そうそう!」

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