俺様社長ときゅん甘同居
お姉さん二人は仲がいいのか口を揃えて言っている。
その弁の立つ話ぶりから、お姉さんたちには拓さんでも勝てないらしい。

姉のいる弟ってこんな感じになるんだろうなと、つい弟を思い出しつつ私も思った。

「こんな、真面目そうで可愛らしい子捕まえるなんて！」
「拓、あんた良くやった！」

「私達はもうとっくに嫁に出てるし、拓の言った通り実家は、先に結婚した一番下の弟が跡を取ってるから」
「跡継ぎを！とか跡取りだ！とかも長男だけど拓は早々に継がないって言ったし、下の弟が一番優秀でね。経営にも向いてるから」
「あぁ、それはそうだな。悠が一番優秀で跡継ぎには最適だった。まぁ、押し付けたと思われてなきゃいいんだが」

あれ？弟さんとは仲が微妙なのかな？
そう思いつつも口を挟むのは辞めた。

「だから、なかなか結婚しないままアラフォーになっちゃった拓は家族の一番の心配の種だったわけ」
「それがいきなり結婚するから！でしょ？もっと詳細教えなさいよって電話しても出ないのよ？押しかけるしかないわよねぇ！」

どうやらお姉さん達にはいつまでも結婚しない弟というのは心配だったらしい。

「うちの正樹のが先に結婚しちゃうんじゃないかってひやひやしたわ！」
「それよりうちの美佳のが先かもと思ってたわ」
「姉さんたち、そろそろ黙って！」

ピタッと止まった会話。
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