俺様社長ときゅん甘同居
彼に私は多分初めて自分からギュッと抱き着いた。

「拓さんが私を最後の恋人だと思ってくれてるように、私も拓さんを最後の恋人だと思ってます。ただ、大事な話が出来ないまま奥さんにはなれないと思っただけで。結婚が嫌になったとかではないんです」

私の気持ちをしっかり伝えた。
びっくりしてたのか、私の話を聞いたあとギュッと苦しいくらいに抱き締め返してくれた。

「不安にさせてごめん。帰ろう？俺たちの家に･･･」
「はい･･･」

下の大家さんに挨拶して、鍵を返し明日の荷物出しをお願いして停めていた拓さんの車に乗って帰った。

タワーマンションの20階、そこが今日から私の帰る家だ。
帰って来てすぐ、玄関先でまた抱きしめてくる拓さん。

「拓さん、部屋入ろう？話してくれるんでしょ？」
「あぁ、そうだな。お茶入れてくるから晶子は座ってろ」

座らされたソファーでそれほど待たずにお茶を持ってきてくれた拓さん。

「まず、不安にさせて済まなかった」

カップを置いてすぐ、告げられた言葉。
彼も大事な話をしてなかった事は悪かったと思っているみたい。

「なんで、話してくれなかったんですか？私はお金目当てだと思ったの？」
「違う！そんな事は思ってない！」


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