俺様社長ときゅん甘同居
両家顔合わせは予想外
迎えた日曜日。
両家顔合わせのため、私達のうちからほど近いホテルの和食処の個室を予約している。

今日は色は大人しめの紺色でパフスリーブの可愛らしいワンピース。
ウエストからは切り替えられてフレアスカートになっている。

これを似合うと買ったのも拓さんだ。
着替えて、髪を整えてメイクをする。
準備が整ったところで

「晶子、準備は済んだか?」
「今終わったところ」
「それにしたんだな。よく似合ってる」

引き寄せて額にキスしてくる。
いつなん時でも甘さはすぐに増してくる。
くすぐったくも嬉しい。
私はすっかり拓さんに甘やかされている。

「拓さんも今日はスーツね。私服もカッコいいけど、スーツも似合うわね」
「晶子、だいぶ素直になってきたな」
「下手につんつんするより、甘えた方が可愛げもあるし。それにどっちでも甘やかしてくれるなら、すんなり甘えた方がいいって気付いたから」
「はは、晶子らしいな。どっちだっていいさ、晶子が隣に居てくれるなら」
「もちろん、ずっと隣に居るわ」
「よし、じゃあ前向いて」
「なに?」
「とにかく前!」
「もう!」

そうして前を向くと、たくさんの腕が伸びてきて首元に付けられたのは、昨日指輪を買いに行ったお店で私が見ていた蝶モチーフのネックレスだった。
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