それでも、幸運の女神は微笑む
『ん?でもこの状況って、誰か牢に入ってこないとどうしようもないのでは?』


ぽつんと呟いて、私はしおしおとまた座った。

と、とりあえず、現状維持ってことで!


ぐううううう

抗議しないでお腹の虫!






***




『誰かー』


どれくらい経ったのかはわからないけれど、何もない場所でただぼーっとしているがこうも苦痛とは・・・。

というか、ここの雰囲気からか、気付くと鬱々としてて辛い。


というわけで、さっきから誰かを呼ぼうと声をあげてる。

無駄・・・ではないと思いたい!



———ぐううううううう


そして今だにお腹の虫は元気です。

お腹と背中がくっつきそうです。




「ぱん!すーぷ!たぶー!のじゃー!」


一人牢の中で声を張り上げる私。

なんて可哀そうなんだろう!若干発音が残念な気がするけど!


え?大丈夫だよね?

ちゃんと、パンとスープ食べたいって伝わるよね?



パン、スープ、食べる、望むって単語言ってるだけでも、意味はわかるよね?




「ぱん!すーぷ!たぶー!のじゃー!」


不安は残るけど正しい発音を教えてくれる人はいないのでこれでいく。


堂々と言えば大丈夫な気がする!

聞いてるかどうかさえ怪しいけど!

大丈夫な気がする!!





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