それでも、幸運の女神は微笑む
え?あれ?確かにそこにいたはずじゃ・・・


ムッシェさんを見れば、苦笑いして首を振られた。

ムッシェさんはポツリと何やら呟いたけど、私は何を言ったのかわからなかった。


ぽんぽんと頭を撫でられる。気にするなと言うように。


でもなぁ。

本当に彼が私を助けてくれたなら、お礼を言いたいし、私に出来ることがあればしたいんだよなぁ。


どうしてここに来て、すぐに帰っちゃったんだろう?

気まぐれ、なのかな?

猫みたいな目だったからか、なんだか雰囲気が猫っぽかったんだよね。



「アサヒ」


つらつら考えていると、ムッシェさんに呼ばれた。

見れば、ベッドのそばにある机に広げられた地図のある部分をムッシェさんが指差していた。



「ここはアグネシアという国だ」

「きょきょふぁあぎゅにゅしゅあとぉゆきょくじゃ」

「アグネシア」

「あぎゅにゅしゅあ」

「アグネシア」

「あぐれっしぶ!」

「・・・・・・そうかね」

「ひょ?」

「気にするな」


ひらひらと片手を振るムッシェさん。
うーむ。気にするな、かな?


地図には西側と東側に大きな大陸があって、下の方に小さな島らしきものがたくさん描かれていた。

ムッシェさんが指差している国・・・アグネシアは、地図の西側にある大きな大陸の左の方にある比較的大きな国だ。

西側の大陸は3つに分かれていて、下の方が1番大きくて次が左、その次が右。

東側の大陸はひとつも分かれてなくて、どうやら東の大陸で1つの国らしい。



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