それでも、幸運の女神は微笑む
マーニャは口元を緩めたまま、頷いてくれた。

「任せて!
もう頼んではあったから、温めてすぐに持ってくるね」



明るく応えて、マーニャは出て行った。

何を言っているかはわからなかったけど、頼りがいのある目をしていたから、安心して私は待っていた。


しばらくして、マーニャが帰ってきた。
手にはトレーに乗ったスープ。

ほかほかと、温かそうな湯気が立っている。



ベットに横になっていた私が起き上がると、私の太ももあたりにそっと置いてくれた。

じんわりと、温もりが伝わる。



「お待たせ!
この部屋机ないしアサヒ顔色悪いしだから、ベットの上で食べて。ごめんね」

「ひょ?わからない!
すーぷ、ありがとう!」

「これ以上どう言えば伝わるのか私にはわからない!重ね重ねごめんね!
どういたしまして!」

「ひょ?」

「召し上がれ!」




どーぞ!とばかりに満面の笑みでスープに両手を向けたマーニャ。

私も満面の笑みで頷いた。


わからないことは、とりあえず後回しで!



『いただきますっ!』


スープは、今まで食べたものよりも薄く感じたけれど。

今までで一番、体に沁みた。





***


スープを食べ終えた私は、再びマーニャにベットに押し込まれた。

なんでそんなに心配するのかよくわからなかったけど、横になったら眠くなって。


すとんと、眠った。




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