それでも、幸運の女神は微笑む
わからなくて、私は首をひねる。


「ラギア、わたし、だいじょうぶ、いう。
ごめん、ちがう。わたし、ありがとう!」



ラギアは私を信じてくれた。

それなのに謝られるなんてもぞもぞする。


ここは私が感謝する場面であって、ラギアが謝る場面じゃない。




それなのに、ラギアは私から目をそらして、また呟く。



「ごめん」

「ラギア・・・?」




なんで謝るの?

なんの謝罪なの?


わからなくて目を瞬く私の手をぎゅっと握ってうつむいたラギアは、ふうと息を吐いた。

顔を上げたラギアの目は、金色に輝いていた。




〈ご飯もってくる〉

「ひょみゅ?あ、ありがとう!」



結局、なんの謝罪だったのか明かさないまま、ラギアは私のご飯を取りにいった。


なんだったんだろ?妙に深刻だった気がする。

マーニャにも謝られたし、ベッドに押し込まれたし・・・もしかして、とてつもなく顔色悪い!?

すっごく具合悪く見える!?





私はぺたぺたと顔を触る。が、わからない。

鏡!鏡はどこじゃああああ!!!



・・・なかった。

しゅんとした。落ち着いた。

お腹すいた。




ぐううううううっと腹の虫が催促したとき、ラギアが食事を持って来てくれた。

アイナを連れて。



アイナは私と目が合うと、深く頭を下げた。


「あ、アイナ!?」

「申し訳ございませんでしたわ、異世界からの客人。
無実の貴女に酷なことを致しました。心からの謝罪を」

「な、なに、なに!?ラギア、なに!?」

〈申し訳ございませんでした、異世界からの客人。
無実な貴女に酷なことを致しました。心からの謝罪を〉

『え、あ・・・信じて、もらえたんだ』





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