それでも、幸運の女神は微笑む

「町に行ってみない?」

***



あれから、一ヶ月経った。



アイナの謝罪を受け入れた次の日。

ロイから謝られ、エリィさんと握手して、ボルダさんに頭を撫でられた。


お腹の痣は、なぜか中々綺麗になくならなくて、最近やっと綺麗になった。

獣に噛まれたときは次の日には綺麗さっぱり消えていたのに、なんでだろう?

ムッシェさんもすごく不思議そうに首をひねっていた。




この一ヶ月で、みんなと少しは仲良くなれたかなぁと思う。

あと、けっこう異世界言語話せるようになった!

私は本当に頑張った・・・。


今では他の女の子に混じって掃除のお手伝いをしている。

ちょっと意思疎通ができるようになったし、働かざる者食うべからずだからね!






「キャーー!!アサヒにまた鳥の糞がぁ!」

「嘘!?さっき頭洗ってなかった!?」

「アサヒ大丈夫!?」

「だいじょうぶ!」


異世界の鳥も私の頭に糞を落とすのが好きらしい。

洗濯物を外に干していると私の頭は大抵大惨事になる。


今朝は、3回目の悲劇です!




悲鳴をあげたのが小さな体でちょこまか働く、可愛いもの大好きなミュレット。

クリーム色の髪に大きな明るい茶色の瞳が可愛い女の子。


驚いているのが、すらっと背が高くてテキパキ働く、しっかり者のシエル。

藍色の髪に切れ長の紺色の瞳がクールな女性。


私を心配してくれたのが私のルームメイトで、今朝は手伝いに来てくれたマーニャ。

お仕事中はお下げにしているオレンジ色の髪が可愛い。

黄緑色の猫みたいな目は朝日を浴びてキラキラ輝いている。




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