それでも、幸運の女神は微笑む
そのお低い声も色気たっぷりな魅力的ボイスとしか言えないとは・・・。

え?私と比べて?


完敗だよ勿論!一瞬で判定がつくわ!!





「マーニャでも誘って行きなさい。
はい、これはお小遣いです」

「はい!ありがとうエリィ!」


小さな巾着からチャリ、と音がして嬉しくなる。


「でも、これ、いいの?」

「ええ。勉強の実践にもいいですしね。
きちんと“ご自分で”お会計するのですよ」

「うっ・・・はぁい」



確かに、数字とか金銭単位の勉強にはもってこいだね・・・。


うん、でも、異世界での初買い物は楽しみ!やっぱりエリィさんには感謝だ!




「俺も行っていい?」


ウキウキしていると、暇だからと私に付いて来ていたラギアが聞いた。



「いいよぉ!」


ラギア暇だもんね!行きたいよね!

すぐにグッと親指を突き立てた私。

しかし突き立てた親指はペシッとエリィさんに折られた。只今の私の右手はグー。


「なにするー!」

「誠に残念ですが今回はご遠慮下さいませ。
警備が万全ではございませんゆえ」

「やっぱりか」

「まつ、ざんねん、えんりょ・・・ラギア、行けない!?」

「うん」

「そうです」



な、なんで!?暇なんじゃなかったの!?


目をパチクリする私を見ながら、ラギアはふむと顎に手を当てた。



「俺とわからなければ、いい?」

「え」

「?」




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