それでも、幸運の女神は微笑む
キレたムッシェさんはしかしすぐに落ち着いた。

スッと菩薩の笑みが浮かぶ。



「パーデティ砦」

「パーじゃジュティとるで?」

「デティ」

「?じゃジュティ?」

「デティ」

「よいー」

「!?」

「?」

「デティ!」

「てンめぇー!」

「!?」

「?」

「デティ」

「うえ、え、だ・・・だぇ、っでええええ!ていいいいいい!」

「っ!デティ!」

「デティ!」



ガッと拳を握られた。

これか!この舌遣い!この発音!


だがしかし喜びに浸る暇は無かった。




「砦」

「?」

「と、り、で」

「・・・と、る、で」

「り」

「る」

「り」

「りゅ」

「り!」

「りゅい、っ、ゆい、りいいいい!」

「っ!り!」

「りっ!」

「パーデティ砦!」

「パー・・・ドゥ、デティ!と、りぃぃぃぃ!で!」



やり切った!と師匠の顔を見れば。

後光さえ見えるような菩薩の笑みを浮かべていらっしゃいました。

無念ッ・・・!




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