それでも、幸運の女神は微笑む
るんるんとラギアの方を見れば、なぜかラギアは首を傾げていた。



「別嬪・・・?
アサヒが新入りの嬢ちゃんだから、やっぱり俺が別嬪?俺、別嬪なの?男だけど・・・」


ラギアが!
あの無口なラギアが!

長文をぶつぶつ呟いている!!


目を丸くしながらも、ちょっと意味がわからなくて私も首を傾げた。


「しにいり?べっひょん?」

「・・・・・・アサヒ」



ラギアはハッとした顔で私の方を見て、ごくごく真面目な顔で言った。




「なんでもない」

「ひょえ!?」


絶対嘘だ!





どういう意味かと聞くも、貝のように口を閉ざしたラギアはうんともすんとも言ってくれなかった。

何?何を言われたの!?気になるー!


「それより」

「ひょ?」

「何買うの」



スッパリ話を逸らされた感が否めないけど、元々の目的はお買い物だった。

ので、ふむと辺りを見回す。




うーん・・・。


『思ってたより活気がないなぁ』



住居の下がお店になっているところが多いみたいなんだけど、下のお店部分が開いているところが少ない。

通行人も少ないし、すごく静かだ。


寂れた商店街のシャッター通りのようだ・・・。



なんでだろう?

今はお昼時だしもっと飲食店が開いていてもいいと思うんだけど。


今日が祝日だとかなのかなぁ?




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