それでも、幸運の女神は微笑む
ぱっと後ろを振り向いて、びっくりした。



「ボルダ!?」

「今日も元気ですねぇ、アサヒ」

「げんきですっ!
ボルダ、いる、なぜ?」

「視察ですかね」

「しーさす?」

「視察。
仕事みたいなものですよ」

「しごと!おつかれ!」

「どうも。
ところで私も聞いていいですか?」

「みょー?」



ボルダさんはふわふわした笑顔のままだ。

あれ。なんでだろう。
ふわふわした笑顔のままなのに冷や汗が・・・。



「なぜここにアサヒとあなた様がいらっしゃるんでしょうか?」

「ひょえ?アサヒ、あなた・・・なに?」

「アサヒがエリィからお金もらって買い物に来た」

「なるほどなるほど。
で、あなた様はなぜ?」

「暇だから付いてきた」

「・・・・・・そうですか」




ボルダさんはなぜか、ふわふわした笑顔のままがっくりと肩を落とした。

器用ですね!ちょっと怖いです!



「変装したけど、わかる?」

「いえ・・・よほど頻繁に会っていないとわからないかと」

「じゃあ問題ないね」

「問題はあるでしょう、あなた様は我らの天なのですから」

「神殿の敷地から出るべきではなかった、と?」

「ええ」




何やら早口でボソボソと言い合う2人。


疎外感がすごい・・・。

なんの話をしているんだろう?


いっつもふわふわ笑ってるボルダさんといっつも無表情のラギアじゃ、どんな話をしているのかわからない。




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