それでも、幸運の女神は微笑む
『そんなのはっ、アンタが私を裏切ったからに決まってるでしょーがっ!』
優しく触れる手を振り払う。
襟首から手を離して、私は、じっと私と夕日を見ていたラギアの手を握る。
『あのねぇ、ラギアは私を信じてくれたの!』
『・・・信じた?』
『異世界から来たって信じてくれて、アンタに嵌められたときもラギアは私を信じてくれた』
ぐしゃりと顔が歪むのを感じる。
ラギアが息を飲んで、ぎゅっと手を握り返してくれたのを感じる。
『わっかんないでしょう。
それがどれほど嬉しくて、ありがたくてっ・・・私を救ったか』
夕日は顔色ひとつ変えなかった。
優しく優しく微笑んだまま。
『夕日、アンタは、私を陥れたんだ。
それで、どうして信用しろって言うの?』
ギッと微笑む夕日を睨む。
夕日は微笑んだまま、首を振った。
『旭、一方の側だけで判断するのは軽率だよ』
『え?』
『僕は旭に口付けたけど、魔猪は放ってない』
『は、』
はいーーーーー!?
『嘘つきは泥棒の始まりなんだよ!』
『嘘じゃないよ』
『じゃあなんであそこにいて私にアレして追われて逃げたの!?』
『いやあ、一応密偵だったからさぁ。そりゃ逃げるよね』
飄々と言って、夕日は笑う。
眩しい眩しい、夕方の日の光のように。
夕日というその名の通りに。
思わず目を奪われるほどの笑顔を浮かべて、夕日は続けた。
『それで、旭に口付けたのは、挨拶だよ』
ちょっと待て。
優しく触れる手を振り払う。
襟首から手を離して、私は、じっと私と夕日を見ていたラギアの手を握る。
『あのねぇ、ラギアは私を信じてくれたの!』
『・・・信じた?』
『異世界から来たって信じてくれて、アンタに嵌められたときもラギアは私を信じてくれた』
ぐしゃりと顔が歪むのを感じる。
ラギアが息を飲んで、ぎゅっと手を握り返してくれたのを感じる。
『わっかんないでしょう。
それがどれほど嬉しくて、ありがたくてっ・・・私を救ったか』
夕日は顔色ひとつ変えなかった。
優しく優しく微笑んだまま。
『夕日、アンタは、私を陥れたんだ。
それで、どうして信用しろって言うの?』
ギッと微笑む夕日を睨む。
夕日は微笑んだまま、首を振った。
『旭、一方の側だけで判断するのは軽率だよ』
『え?』
『僕は旭に口付けたけど、魔猪は放ってない』
『は、』
はいーーーーー!?
『嘘つきは泥棒の始まりなんだよ!』
『嘘じゃないよ』
『じゃあなんであそこにいて私にアレして追われて逃げたの!?』
『いやあ、一応密偵だったからさぁ。そりゃ逃げるよね』
飄々と言って、夕日は笑う。
眩しい眩しい、夕方の日の光のように。
夕日というその名の通りに。
思わず目を奪われるほどの笑顔を浮かべて、夕日は続けた。
『それで、旭に口付けたのは、挨拶だよ』
ちょっと待て。