それでも、幸運の女神は微笑む
珍妙なものを見る目で見られている・・・。


さあて!私は一体どんな間違いをしたのかな!?


もうね、自分の発音能力の低さに開き直るよ!

いちいち落ち込んでたらキリがないからね!



と、いうことで!


緩んだ両手から手抜き取ってビシッと自分を指差した。

そしてアイナとの異世界言語講座で教わった言葉を、言う!




「わたしは旭・戸田じゃ!どーぞよっしくおねがいいたます!」


まずは自己紹介だよね!

上手く言えてるかな・・・。


ドキドキしながら目の前の女性を見つめると、一瞬虚を突かれたような顔をしたけれど、すぐに彼女は笑ってくれた。




「あたしはここの食堂で働いてるガペラだよ。こちらこそよろしくね」

「えと、なまえ、しょっくだど?ぎゃぷら?」

「おおう・・・ショックだどって・・・食堂って言いたいのかい?」

「みゅん!」

「どんな返事だ・・・。
食堂はこの場所のことだよ。あたしはガペラ」



食堂、と言って下を指差し、ガペラ、と言って自分を指差す女性。

なるほどなるほど!



「ここ、しょっくだど!あなた、ぎゃぷら!」

「そう、そうなんだけど・・・」


ガペラさんは何とも言えない顔をしていた。

ムッシェさんは苦笑して、「発音が違う」と言った。

その言葉は散々言われたため、完璧に覚えてしまっている・・・。


無念ッ!





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