それでも、幸運の女神は微笑む
って、えええええ!!!

何何さっきの!!
すごい!ファンタジー!

私、ここの人とあんなにスムーズに意思疎通できたの初めて!


目をキラキラさせて、私は彼の両手をガッと握った。



「ありがとう!!!」

「何が」

「つたわるした!ありがとう!」

「伝わったからありがとうってこと?」


彼がムッシェさんに目を向けると、何やら考え込んでいたムッシェさんが、1つ目を瞬いた後頷いた。


「そうでしょう。
・・・愛し子様、アサヒに言葉を教えてやってくださいませんか?」

「なぜ」

「念話で意思疎通がしやすいから、です」

「ああ・・・」


私の満面の笑みを見て頷いた彼は、つと目を伏せた。


「常識知らないけど、それでいいなら」

「本当ですか!良かったなアサヒ!」

「ひょ?ほんか?よくあかいアサヒ?」

「・・・本当に、良かったなぁ」

「じゃー?」


しみじみ頷くムッシェさん。

彼はなんだか珍獣を見る目をしているような気が・・・気のせい?



「発音すごいね、君」

「はつおむつがいーねきみゅ?」

「・・・・・・」


彼は無表情に黙り込み、ムッシェさんは菩薩の笑みを浮かべた。

異世界言語難しすぎるってばよ・・・。




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