それでも、幸運の女神は微笑む
けれどその目は、するりと逸らされた。



「じゃあ俺、夕食取ってくる」

「はい。呼び止めてすみませんでした」

「別にいいよ」


カウンターの方へ向かうラギア。

あ、ご飯取りに行くのか!


なんかガペラさんのテンション高い・・・?

こっちにまで感激したような声が聞こえてくる。
なんでだろう?


内心首を傾げつつ、食事を再開する。

うーん。美味しい。


少ししか残っていなかった夕食は、すぐに空っぽになった。



「むっしぇ、おいしいだた!」

「うん。美味しかったな」

「おいしくったにゃ!」

「か」

「くぁ」

「か」

「くあ、か?」

「美味しかった」

「おいしかった」


ぽんぽんと頭を撫でられた。

嬉しい!

って、小学生か!!18歳が頭撫でられすぎだって!


「むっしぇ!」

「ん!」

「わたし、これ!」


ビシッと人差し指を突き立て、次に五本指に三本の指を添えた。

パチパチとムッシェさんは目を瞬いた。

その後、うーんと唸って、目を見開いた。



「もしかして、18歳って言いたいのか!?」

「じゃー?」

「どうしたの」


するりと、綺麗なテノールの声が聞こえて。

見ればラギアがほかほかの夕食を机に置いたところだった。


あれ。気配がなかったような?

首をひねっていると、ムッシェさんが何やらラギアに言い始めた。



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