それでも、幸運の女神は微笑む
女の子はラギアにしたときよりは浅く、けれどうやうやしく頭を下げた。

彼女は今まで見た異世界の人たちと比べて随分と背が小さく、140センチくらいしかなさそうだった。

けれどその仕草や声色は大人びていて、なんだか年齢不詳な感じがする。


あと、顔が今まで会った美くしい方たちと違って親しみを感じる!




まあ、とにかく!


「わたしは旭・戸田じゃ!
どーぞよっしくおねがいいたます!!!」



まずは自己紹介だよね!

意気揚々と右手を挙げて女の子に笑顔を向ければ、落ち着いた微笑みが返された。


わっ・・・なんか、すごく大人っぽい笑顔だ。




「ご丁寧にありがとうございます。
私はムムと申します。どうぞよしなに」


えーっと・・・。

「ありがとう」が感謝を示して「わたし」が自分の事で「申す」が言うで「よしなに」は、確かアイナが挨拶の練習のときに使ってた・・・



ということは。




「みゅみゅ?」

「ムム、です」

「みう、うーっ・・・みゅい、み、う、むううううう!!!!
びゃんっ!?むうむう!」

「微妙に惜しいですね」

「おしい!?
みょんびゃんびゅん・・・むう、むむ?」

「みょんびゃんびゅんが意味不明ですが、さっきので合ってますよ」

「びゅんっ!むむ!ありがとう!」

「びゅんってなんでしょうか」

「・・・おそらく“うん”と言いたいのだろう」

「なるほど。解説ありがとうございますハインド様。
独特な言い回しですね、アサヒ様」




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