それでも、幸運の女神は微笑む
マーニャに手を引かれて、歩き出す。


この世界に来て、誰かに導かれて歩くのは、これで三回目だ。

まだ、一日も経っていないのに。

それとも、まだ一日も経っていないから?




「私はマーニャって言って、アサヒと同じ18歳なんだ」

「まーや、18?」

「あ、惜しい。ニャ、だよ、ニャー」

「や、にや・・・にゃ?」

「そうそう。マーニャ」

「まーにゃ」

「上手い上手い」


マーニャはにーっと笑うとえくぼができた。

可愛い。



「私は主に調理場で働いてるんだけど、水仕事が多くてさ。
手はカサカサになっちゃうんだよねぇ」

「ひょ?」

「あ、わかんない?ごめんね。
えーっと、調理、調理・・・こうかな?」


温かな手が離れ、片方が猫の手、もう片方は何かを握ったような形で上下に揺れる。

包丁で食べ物を切っている仕草、かな?料理担当ってこと?


「しょくどう、いる?」

「そうそう!食堂はわかるんだね!」

「いく、した。たべる、した」

「なるほどなるほど。
じゃあ私が作ったスープ食べたのかぁ。美味しかった?」

「おいしい!」

「ぷはっ!ありがと」



満面の笑みで大きく頷けば、吹き出しつつも感謝された。

本当に美味しかったんだよ!

あと会話が比較的スムーズにできてることがメチャクチャ嬉しい!!!




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