それでも、幸運の女神は微笑む
むへへーと頬を緩ませた。


「おいしい」

「そう」

「らぎあ」

「なに」


ムッシェさん、どうしたの?

〈どうもしない〉




表情は、ぴくりとも変わっていなかった。


そんなわけ、ないのに。



でも。




『・・・そっか』




私が知っちゃいけないことなのかもしれないと思うと、何も聞けなかった。

深入りしていいのか、わからなかった。


私は、この世界のことを何も知らない、異世界人だから。




私はかすかに首を振って、話題を変えた。



「らぎあ!たまにゅぎゅすい?」

〈言えてない〉

おうふ。


「たまにゅぎゅ?すい?」

〈どっちも〉

おうふ。


「たまにゅぎゅ」

「たまねぎ」

「たまにゅぎ」

「ね」

「にゅ」

「ね」

「びゅみゅー・・・・・・にゅい、にい、いー・・・ね?」

「たまねぎ」

「たまねぎ!」


できた!次は・・・


「すい?」

「すき」

「すかい?」

「き」

「きゃい」

「き」

「・・・くぁい、い、・・・き?」

「すき」

「すき」



できたぁ!



「らぎあ!たまねぎ、すき?」

「ふつう」

「くう?」

〈普通〉


普通・・・なるほど!


「わたし、すき!
らぎあ、すき、たべる、なに?」

「無い」

「にゃ・・・?」

〈無い〉


無い・・・え、ないの?





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