それでも、幸運の女神は微笑む
私はきょとんとした。


ここって、パーデティ砦だよね?

2年前までの隣国チェナティッドとの戦争の最前線となってたであろう場所。


そんなところにいなきゃいけなかった、って、ことは。



『ラギアって、戦う人?』

〈戦う人?
・・・どうだろうね〉

え!?それってどういう意味!?

〈さあ〉

ええー?

ちょっとラギアはぐらかすこと多くない!?


むむむとなっていると。





「あれー?見たことない子がいるぜロッチェ!」

「まじかロイ!
ねぇねぇ君名前はー?」


突如現れた顔がそっくりな二人の男の人に肩を組まれた。

な、なになになに!?



「ロッチェ、ロイ」

「愛し子様お久しぶりでーす!この子どうしたんですか」

「愛し子様お元気ですかー?この子誰ですか?」

「久しぶり、元気。
その子はアサヒ」

「アサヒちゃん!俺はロイ!よろしくな!」

「アサヒちゃん!俺はロッチェ!よろしくね!」

「わ、わたしはアサヒ!よろしくおねがいします!」



慌てて自己紹介する。

にこにこ笑う二人は燃えるような赤髪に赤茶色の瞳のイケメンだった。



・・・異世界での美形遭遇率高すぎだと思う。





真っ直ぐな赤髪がロイさんで、くるくるした赤髪がロッチェさん。

顔はそっくりだけど、髪質がまるで違うから見分けるのは簡単そう。





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