それでも、幸運の女神は微笑む
ううーん・・・通じるとは思わないけど、一応、いくか!
『初めまして!ここはどこですか?』
首を傾げるお爺ちゃん。
うんっ!通じないね!知ってた!!!
お爺ちゃんはふっさふさの白い眉毛を八の字にさせて困ってますと伝えてくる。
私も負けじと眉毛を八の字にさせてめっちゃ困ってますとアピール。
数秒の沈黙。
お爺ちゃんが一つ頷き、ちょいちょいとお爺ちゃん自身を指差す。
「ムッシェ・ハインド」
ゆっくりと紡がれた言葉は、たぶん、お爺ちゃんの名前。
私は頷き返し、口を開き––––
「みゅしぇ・ひゃいんぢょ?」
––––盛大に間違えた気がする。
いやもう本当難しいよ発音がっ!!!
ゆっくり言ってくれたし聞き取るのはそこそこいけるんだけど、発音が!
日本語じゃ絶対しないような唇と舌の動きするんだよぉ。
「みゅ、みゅ、みゅっしぇ・ひゃいんど・・・んーー!?
みゅう、みゅん、むーーっしぇ・ひゃあ、ひあ、は、はいんど!!!」
ぜぇぜぇ言いながらも言い切った!という顔をすれば、なんだかとても生温い目で見られた。
これが私の精一杯なんですお爺ちゃん・・・いえ、ムッシェ・ハインドさん!
気を取り直して、私もちょいちょいと自分を指差して言った。ゆっくりと。
『戸田旭(トダ アサヒ)』
「トダ、アサヒ」
お爺ちゃん一発!?一発で言えちゃうの!?
私のメンツがボロボロだよ!?
『初めまして!ここはどこですか?』
首を傾げるお爺ちゃん。
うんっ!通じないね!知ってた!!!
お爺ちゃんはふっさふさの白い眉毛を八の字にさせて困ってますと伝えてくる。
私も負けじと眉毛を八の字にさせてめっちゃ困ってますとアピール。
数秒の沈黙。
お爺ちゃんが一つ頷き、ちょいちょいとお爺ちゃん自身を指差す。
「ムッシェ・ハインド」
ゆっくりと紡がれた言葉は、たぶん、お爺ちゃんの名前。
私は頷き返し、口を開き––––
「みゅしぇ・ひゃいんぢょ?」
––––盛大に間違えた気がする。
いやもう本当難しいよ発音がっ!!!
ゆっくり言ってくれたし聞き取るのはそこそこいけるんだけど、発音が!
日本語じゃ絶対しないような唇と舌の動きするんだよぉ。
「みゅ、みゅ、みゅっしぇ・ひゃいんど・・・んーー!?
みゅう、みゅん、むーーっしぇ・ひゃあ、ひあ、は、はいんど!!!」
ぜぇぜぇ言いながらも言い切った!という顔をすれば、なんだかとても生温い目で見られた。
これが私の精一杯なんですお爺ちゃん・・・いえ、ムッシェ・ハインドさん!
気を取り直して、私もちょいちょいと自分を指差して言った。ゆっくりと。
『戸田旭(トダ アサヒ)』
「トダ、アサヒ」
お爺ちゃん一発!?一発で言えちゃうの!?
私のメンツがボロボロだよ!?