それでも、幸運の女神は微笑む
「らぎあ、ありがとうー!」


美女の手を離してよろよろとラギアの方へ向かう。

今度はラギアの両手を握ってぶんぶんと上下に振った。



「愛し子様を呼び捨て?何者ですか貴女」

「アサヒっていう子」

「びゅん?わたしアサヒ!」


「アサヒ」「いう」から判断して言えば、ラギアがうんと頷いてくれた。

合ってたっぽい!よかった!


笑顔が溢れた私を見て、ラギアは淡々と言った。



「これでも18歳だって」

「「え!?」」

「へえ、そうなんですか」


ロッチェとロイのぎょっとした顔に真顔になる。

18歳でぎょっ・・・私の年齢が意外だったってことだな!


「ろっちぇ、ろい!わたしアサヒ18!いい?」

「「いい」」

「びゅんー!」

「・・・びゅんってなんだ?」

「・・・返事っぽいね?」

「うん、だって」

「「ソッカー」」



あ。なんか間違えたっぽい。

なんで私うんって言えないんだろう?

短いのになんでだろうって考えてたら、巻き舌ができないからだという結論に至った。


そんなよく使う単語に巻き舌をいれるなよ!

日本語は巻き舌なんぞ使わないんだからな!


心の中でままならない怒りを噴出させていれば、両頬をつかまれた。

あらやだタコ唇になっちゃったワ!

私を問答無用で間抜け面にさせたのは美女だった。なぜだ。


なんかこの美女さっきから私の扱いがヒドイような・・・気のせい?






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