それでも、幸運の女神は微笑む
「つぎぃぃぃ!!!」

〈その力みはわざと?〉

『力まないの!?アイナはこう言ってたけど・・・』

〈荒ぶってたんだね〉

『うん・・・』


私の発音に荒ぶってた。
鬼を降臨させてた。


「つぎ」

「つぎ」


スムーズにいきました。

次にいきます。




「こんばんは」

「このぼんは」

「違う」

「すみません!」

「こんばんは」

「びょ!こんぼんは!?」

「ば」

「ぼ・・・ひょ?ぼぁーぶぁー・・・ば!」

「こんばんは」

「こんばんは!」


頷いたラギアに私は再びのガッツポーズ。



『次は、おやすみなさい!』

〈わかった〉


「おやすみなさい」

「おやつみなさい」

「違う」

「すみません!」

「す」

「しゅ?」

「す」

「す!」

「おやすみなさい」

「おやすみなさい」


言えたぁ!



『ラギア、次はね・・・』






***



ラギアとの異世界言語講座は、念話という便利なもののお陰か結構スムーズにいったと思う。

ラギアの忍耐力にも拍手!


うーん。でも、昨日からちょっと思ってたんだけど、やっぱり・・・



『発音が難しいなぁ』


日本語にない発音がわさわさあって困る。

聞く方は一回聞けば大体わかるんだけど。




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