極上の愛をキミへ
とりあえず、こういうのはサラッと流しておこう。

そして一刻も早く終わらせるためにも、いっぱい飲ませて潰れてもらう。

そう思い、みんなで一丸となって、役員たちに酒を進め続けた。


「そろそろ、お開きにしますか」


役員の1人の言葉に、心の中でホッと安堵のため息をついた。

役員たちを車に押し込み、立ち去ったのを見届け、やっと解放される。


「お疲れ様」


みんなと挨拶を交わし、あたしは家路を急いでいると・・・


「結~衣~!!」


今、誰かに名前呼ばれた?

あたしは立ち止まり、辺りを見渡すと、視界に大きく手を振っているOLが1名。

その子に向かって、あたしも軽く手を振る。


「お疲れ。仕事終わり?」

「うん、そんな感じ。亜弥(あや)は?」

「同じく。あたし、ご飯まだなんだよね〜。付き合ってくれない?」


亜弥の言葉に、あたしは小さく頷き、同意した。

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