極上の愛をキミへ
あたしは、決して強い人間ではない。

淋しい時は、寄り添いたい。

辛い時は、素直に甘えたい。

傷付かない為に引いた線も、無視して乗り越えたい。

だけど、心が恐れている。

また、傷つくことを・・・


「すいません。今日は、会えません」


そう言い、一方的に電話を切り、電源を落とした。

荒々しく携帯を鞄の中へと終い、家へと向かって走り出す。

息が上がって、苦しい。

だけどそんな状況が、今のあたしは調度良い。

ロクに考えている余裕もない、この状況が・・・

でも目的地がある以上、その状況が永遠に続くことはなくて・・・

自分のマンションが見えて、気持ちが憂鬱になる。

盛大なため息を零し、自分の部屋のドアを開けた。

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