極上の愛をキミへ
歪む、それぞれの気持ち
・・・なんで?

家の主であるあたしがたった今帰って来たばかりだというのに、部屋の灯りが付いている。

玄関で立ち尽くすあたしの前に、不法侵入した人物がやって来る。


「入れば?」

「ちょ、ちょっと待ってください。ど、ど、どうして、朝比奈専務が」


動揺を露わに、朝比奈に尋ねる。


「会えないって言われたから、会いに来た」


さも当たり前なことをしたと言う朝比奈に、開いた口が塞がらない。

そんなあたしを見て、朝比奈は小さく笑みを零す。


「何、アホ面してんだよ」

「この状況が、あまりにも理解しがたいもので」

「そうか?とりあえず、靴くらい脱げば?」


脱ぎますよ。

脱がなきゃ、中には入れませんから・・・

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