極上の愛をキミへ
だから、ただ黙々と箸を進めていた。


「結衣が家族だからと言って、特別視するつもりはない。仕事は仕事だ。メリットが無ければ、相手がピンチだからと言って助ける必要もない。うちと結衣の会社は一度も付き合いがないわけだし、助ける義理はない」


取引=メリットが無ければ、誰だって手を組んだりはしない。


「双方にとってメリットがあると思ったから、この話をわざわざ持って来たんです」


あたしは強気に、言い放つ。

そんなあたしの様子に、悠麻がニヤリと口元を緩めた。


「うちにとっての、メリットは?」

「今回のプロジェクト発表会には、うちの大手取引先がゴロゴロと集まる。多大な宣伝効果になるんじゃないですか?それにプラスで、利益が生まれる。損する話ではない」


あたしの言葉に、お父さんは笑い出す。

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