極上の愛をキミへ
「ほら、帰るわよ」


車に乗り込むお母さんに続き、あたしも一緒に乗り込んだ。

お母さんと会話をしている、あっという間に家へと着く。

築40年ちかいの平屋の一軒家が、あたしの実家だ。


「なんか、人も家も老朽化したね」

「家はわかるけど、人ってお母さんのこと言ってんの?」

「まぁ。・・・って、冗談だよ」

「全く失礼しちゃんわ」


何て言いながら、家の中へと入って行く。

そんなお母さんの背中が昔より小さく見えるのは、あたしが大きくなったせいだろうか?

中に入ると、テーブルの上にご飯が並べられていた。


「これ、お昼ご飯?それとも、夜?」

「どっちでも良いから、食べなさい。どうせ、ロクに食べてないんでしょ?」


全てを見透かしたようなお母さんの言葉に、あたしは素直に従った。

< 185 / 285 >

この作品をシェア

pagetop