極上の愛をキミへ
「どういう意味かな?」

「教えるわけないでしょ?手放した、あなたに」


亜弥はそう言い捨て、その場を後にした。


「朝比奈さん、すいません。アイツ、悪い奴じゃないんです」


亜弥のことを庇う、菅原の言葉は全く耳に入らなかった。

それより気付いたら、亜弥のことを追いかけていた。


「待って」


亜弥の背を見つけ、必死に引き留める。


「何ですか?」


怪訝そうな顔をしながらも、立ち止まってくれた亜弥にホッとする。


「手放したわけじゃない。結衣が、吏斗を選んだんだ」

「え?」

「吏斗を忘れたくないって。そう、結衣が望んだから」


だから、俺は・・・


「あの。あたしの勘違いだと思うんですけど、あなたは今も結衣が好きなんですか?」

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