極上の愛をキミへ
~高梨 結衣~


「今日、遅番だから」

「はいは~い」


お母さんの言葉に、適当に返事をする。


「ばぁ、お仕事行ってくるねぇ~。春都(はると)」

「ばいばい~」


2歳児に見送られ、嬉しそうな笑みを浮かべ、お母さんは仕事へと向かった。


「ばぁ、いちった」


覚束ない、わが子の言葉に笑みが零れる。


「そうだね~」


春都を抱き寄せ、微笑み合う。

他愛もない、そんな一時に幸せを感じる。

春都が生まれ、あっという間に過ぎていく時間。

初めての子育てに戸惑い、泣きたくなる日もあった。

だけど、何度も春都の笑顔に救われた。

何度も、春都の存在に背中を押された。

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