極上の愛をキミへ
今のあたしが笑って居られるのは、春都のおかげだ。

そして春都をくれた、彼のおかげ。

彼を思い出すことは、もうない。

だって、春都の中に彼は居るから・・・


「今日はママがお休みだから、何しよっか?」

「カンカン!」


そう言い、腕の中から抜け出し、春都は電車の玩具で遊びだす。

そんな春都を眺めていると、チャイムが鳴る。


「ばぁ?」


嬉しそうに、春都は玄関に走っていく。

その後を追うと、玄関に着いた春都が勢いよくドアを開けた。


「・・・誰?」


初めて見る人に、すぐさま春都はあたしの後ろに隠れる。

そして、あたしは来客者を見て固まる。


「久しぶり」


気まずそうに言う彼に、あたしは驚きのあまり動けなくなる。

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