極上の愛をキミへ
締め付けがなくなり、解放的になった胸へと手を移動させる。

自然と零れる、自分の声に羞恥心が掻き立てられる。


「顔、赤いけど」


あたしの反応を楽しむように、男はイタズラな笑みを零した。

そしてあたしのことを抱き上げ、ベットへと場所を移す。


「やめる?」


人の上に被さり、尋ねられる。


「ブー。時間切れ」


そう言い、男は再びキスを落とした。

キスを重ねるたびに、触れらるたびに・・・

体は、素直に反応する。

心も、体も、満たされていく。

なのに、どうして?

どうして、こんなにも切ないのだろう?

泣きたいわけじゃないのに、涙が込み上げてくる。

男に気付かれないように、あたしは静かに瞳を閉じた。

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