先生の背中。
第一章
自転車を猛ダッシュでこぐ。
今日は珍しく寝坊。
携帯がマナーモードのままでアラームに気付かなかった。
学校に到着し、1年生専用の自転車置き場へと止める。
「あれ?長沢遅刻か?珍しいな~」
自転車を整理していた岡田先生が私を見てそう言った。
「うん!寝坊したんだ~」
「寝坊だと~?次からは気を付けるんだぞ~」
笑ってそう言った先生。
きゅん…。
笑顔がたまらなくかっこいい。
先生をはじめて見たのは、私が風邪で保健室のベッドで横になっているときだった。
先生はたまたま自分のクラスの生徒の様子を見に来ていて、隣で寝ていた私に、
「大丈夫か?」と声をかけてくれた。
「大丈夫です。」
と返事した私に先生は、手をおでこにあて、
「熱は大丈夫みたいだな」と笑顔で言った。